- 2-いて深く考え,将来出会うであろう様々な場面,状況においても,道徳的価値を実現するための適切 な行為を主体的に選択し,実践することができるような内面的資質を意味している。それは,主とし て,道徳的心情,道徳的判断力,道徳的実践意欲と態度を包括するもの」とある。 - 2 - Ⅱ 研究内容 1 道徳的判断力の育成 (1) 道徳的判断力 学習指導要領解説「特別の教科 道徳編」では、「道徳的判断力は、それぞれの場面において善悪 を判断する能力である。つまり、人間として生きるために道徳的価値が大切なことを理解し、様々 常の問題や、その時の心情について、振り返る機 会が少ないからであり、そのような機会として も、道徳の授業が適切な場である と言える。発達 〈道徳〉 仲間と考え、議論することができる道徳授業の創造 低学年における、自己を 中等道徳教育論2014年度 2014/12/16 5 ③,指導過程 導入 導入では,本時に対する意欲を高め,その時間で 扱う問題や価値に対しての意識化を図る。一般的に は導入の働きとして,次のような点を挙げることが できる。ア ねらいとする価値 1 は じ め に 平成二十七年三月、学校教育法施行規則の一部改正により、「道徳」は「特別の教科 てその一部又は全部を実施することが可能となっています。三十一年四月一日から全面実施となりますが、平成二十七年四月からは既に移行措置とし道徳」となりました。
本稿では、今般の道徳教育の拡充において主要な授業方法の改善案として掲げられている「考え、議論する道徳」を取り上げ、「考え、議論する」ことは道徳教育にとってなぜ必要なのかを明らかにする。本稿の議論によれば、「考え、議論する」ことは、「道徳性」を構成する三要素の一つで
道徳は、道徳以前の大型類人猿、第一段階の道徳を手にした初期人類、第二段 階の道徳を手にした現代人類と人類進化の中で変化してきたが、彼はこの変化を、「協 力」を構成する5つ要素の変化を通して考察し、初期人類における二 1 【道徳教育分科会】 葛藤場面を通して価値の自覚を深める道徳学習 ―論理的に思考し,ねらいとする価値に迫るための対話のあり方を探る― 八幡英幸(熊本大学教育学部) 宮原大輔(熊本大学教育学部附属小学校) Ⅰ.分科会内容 特集 徹底研究!「問題解決的な学習」を生かした指導 解説/文部科学省が示した問題解決的な学習とは―学習指導要領解説や報告等から読み解く 道徳科の特質を踏まえた真に効果が期待される「問題解決的な学習」に取り組もう ・・・・・・ 柴原 弘志 道徳教育の研究レポート「道徳教育の研究」第5章社会変動と道徳教育道徳教育を考えるとき、道徳が論じられている社会を抜きにしてそれを語ることはできない。人間は生まれ育った社会における文化の中で、その文化固有の価値観を学び身につける。
え,向き合う「考え,議論する道徳」へと転換を図るものであり,いじめの 問題への対応の充実や,発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする 観点からの内容の改善,問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の工 夫等を示し
道徳教育を抜本的に改善・充実させるため、問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の 工夫を図ること等により、「考える道徳」「議論する道徳」へと質的転換を図ることをめざして いる。今後、小学校では平成30年度から、中学校で 道徳授業における二課的課題の扱いに関する批判的検討 2 物の登場人物の気持ちを読み取りことで終わってしま」 うものに近いと考えられるものであり、「考え、議論す る道徳」として想定されているものとは異なると考えら 2. 2.問題解決型の道徳教育 では、どのような道徳教育を行えばよいのであろう か。上田の主張は、問題解決学習を通しての道徳教育で ある。彼が文部省在職中に書いた「道徳教育のための手 引書要綱」(昭和26 年)には、その され ― 156 ― さらに、今年度から道徳の授業を部分的に輪番制で実施した。一人の教師が一つの教材を全クラスで授 業する形である。全職員が道徳教育に関われるよう、基本的に学年に所属している先生方全員がその学年 の道徳の時間を受け持つこととした。 「道徳の時間」 (小・中学校で週1時間) を「特別の教科 道徳」(「道徳科」) (引き続き週1時間) として新たに位置付ける学習指導要領の一部改正 道徳科に検定教科書を導入 内容について、いじめの問題への対応の充実
・五月中、道徳教育の研修会を実施 都指導部、区室長が話をする。 足立 ・内容、方法が問題の焦点である ・区の協力校(小2、中1)が拠点となって研 究を推進する。 ・実践をしながら指導計画を作成し …
原 著 【研究論文】 岡山大学教師教育開発センター紀要,第8号(2018),pp.1−14 これからの道徳性を問う ~教育哲学の視点から考える新たな道徳性への追求~ 作田 澄泰※1 中山 芳一※2 戦後の近代化と共に進む、非人道的 特別の教科道徳Q13 (小学校) 「考え,議論する道徳」に転換するためには,どのように授業を構想すればい いのですか。道徳科の授業は,下図の手順で構想しましょう。学習指導要領の目標・内容 学校の実情,児童の実態等 道徳科の全体計画・年間指導計画 的な課題を一人一人の児童生徒が自分自身の問題と捉え、向き合う「考え、議論する道徳」を実現する ことが、「主体的・対話的で深い学び」を実現することになると考えられる。 「考え、議論する道徳への転換」に向けて求められる質の高い多様な 指導方法の例示
たちが道徳的価値について自分の問題として考え,多様な考えを出し合い学級のみんなで吟味し, 自分たちで価値を創造していく授業展開を図るためには,発問を工夫することが大切だと考える。- 29 - 2 授業のねらいに迫る発問の工夫 え,向き合う「考え,議論する道徳」へと転換を図るものであり,いじめの 問題への対応の充実や,発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする 観点からの内容の改善,問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の工 夫等を示し Ⅰ道徳の内容を国が定める ―8文献― 次数 名 称 告示年月日 項目数 愛国心項目次数 教育に関する勅語 1890年10月30日 (君主の著作物) 11 第11項 小学校学習指導要領 道徳編 1958年8月28日 文部省告 … 石井・小川:討論活動を通した道徳教育の可能性 - 149 - 全国学力調査やPISA調査の結果は,児童・生徒の「思考力」,「判断力」,「表現力」の向上が急 務の課題であることを示しているといわれている。 こうした諸課題に対応すべく,平成21年に公示された高等学校学習指導要領では,総則に
~道徳性を養う“三本の矢”~ 特別支援教育×道徳教育:押さえるべき視点 (第7回) 思考のツールを活用して自分の考えを整理する ・・・・・・ 福永 純恵 道徳教育2.0―AI社会・多様性・問題解決の授業へ …
- 2-いて深く考え,将来出会うであろう様々な場面,状況においても,道徳的価値を実現するための適切 な行為を主体的に選択し,実践することができるような内面的資質を意味している。それは,主とし て,道徳的心情,道徳的判断力,道徳的実践意欲と態度を包括するもの」とある。 - 2 - Ⅱ 研究内容 1 道徳的判断力の育成 (1) 道徳的判断力 学習指導要領解説「特別の教科 道徳編」では、「道徳的判断力は、それぞれの場面において善悪 を判断する能力である。つまり、人間として生きるために道徳的価値が大切なことを理解し、様々 常の問題や、その時の心情について、振り返る機 会が少ないからであり、そのような機会として も、道徳の授業が適切な場である と言える。発達 〈道徳〉 仲間と考え、議論することができる道徳授業の創造 低学年における、自己を